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2011年03月26日

テレワークに注目

東日本大震災や停電の影響で通勤困難者が続出した事態を受け、出勤せずにオフィス業務を処理できるテレワーク(在宅勤務)が注目を集めている。

ワークライフバランス(仕事と家庭の両立)の取り組みの一環として導入されたが、危機管理の観点でも力を発揮。

電力不足の長期化が懸念される中で、導入の動きが加速しそうだ。


震災から初めての週明けとなった14日。
富士通ワイエフシー(横浜市神奈川区)営業本部の福田真奈美さん(33)は、通常通りの仕事を川崎市高津区の自宅でこなしていた。

ニュースでは駅にあふれる通勤困難者の様子を伝えている。
利用しているJR南武線も運休に。
まもなくテレワークを指示するメールが上司から届いた。

自宅には専用パソコンがある。
会社自席のパソコンを遠隔操作し、仕事を処理した。
自席への電話もPHSに転送されてくる。
「余震が続く中で無理して出勤せずに済んだ。同居の両親も安心していた」と福田さんは言う。

大手IT系企業を中心に、テレワークで乗り切ろうとするケースは多い。
NTTアイティ(横浜市中区)のオフィスでも、社員不在の机の上でパソコンは通常通りの業務を処理していた。

開発した遠隔操作端末「マジックコネクト」は、手持ちのパソコンに差し込めばオフィスのパソコンを動かせる。
計画停電の混乱が続いていた16日は、200人以上いる社員のうちソフトウエア開発の技術者ら50人が活用した。

一之瀬進取締役は「生産性に支障はない。他の企業に比べて平静な状態で震災後の業務に入れた」と話す。
遠隔操作端末は問い合わせが急増し、出荷を急いでいるという。

日本テレワーク協会の今泉千明主席研究員は「最近はIT系業種以外にも広がっており、活用方法によって業種を問わずに導入できる」と説明。
例えば直行直帰の営業担当者なら、事務作業を在宅で処理する方法を提案する。

導入が進んでいるのは大手企業が中心だが、今泉氏は「中小企業にも、オフィス賃貸料や交通費などのコスト削減の点でメリットはある」と話している。


◆テレワーク
ITを使った時間や場所を選ばない柔軟な働き方。テレワークで働く人をテレワーカーと呼ぶ。
子育てや介護で通勤が困難な人材を活用できる利点がある。
インフルエンザなどの流行時や災害時の事業継続対策としても活用されている。

カナロコより

投稿者 trim : 2011年03月26日 18:47