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2011年03月22日

中小企業の被災地支援技術

避難所などでの生活の改善に向け、中小・ベンチャー企業の製品・技術に注目が集まっている。

臨時の人力浄水装置や避難所用トイレなどだ。

いずれも大企業では手がけない機器を扱っており、被災地支援に一役買っている。


地震に伴って各地で断水が起きていることで、関東圏の自治体や企業などからの引き合いが強まっているのが浄水機器メーカーの日本ベーシック(川崎市中原区)だ。
同社が開発したのは、電力を使わず、自転車のペダルをこぐだけで飲料水を作り出せる装置。

例えば、学校のプールの水を使用する場合、自転車の荷台に搭載した浄化装置のフィルター付きホースをプールに垂らす。
自転車のペダルを踏み続けると回転力で水が吸い上げられ、3つのフィルターを通して汚染物質やにおいを取り除き、最終的には蛇口から無菌の水を取り出せる仕組み。
1分間に6㍑の飲料水を取り出せる。
水源さえあれば、ガソリンや電力に頼らず作動できる点が売り物だ。

地震発生後、同社には注文が殺到。
瞬く間に十数台の在庫がはけたという。
事務所に置いてあったデモンストレーション用装置も磨いて出荷したほど。
現在、増産に向けて準備を進めている。

同社の勝浦雄一代表取締役は「災害時は個人や家庭が身の回りの問題に取り組んだ上で、地域住民が助け合うという流れを作ることが必要。
人力による浄化装置はその結束を強める効果がある」と強調。
ペダルこぎを通じ、災害に立ち向かう勇気が芽生えることも願っている。


また、避難所などで威力を発揮するのがバイオトイレだ。
おがくずなどをヒーターで温めて糞尿(ふんにょう)を蒸発、分解させ、最終的には有機肥料などもできるため、メーカー各社には問い合わせが殺到している。

このうち、北海道旭川市の正和(せいわ)電工は小規模処理タイプを中心に在庫を抱えており、「レンタル会社などから要望があればいつでも出荷できる」(橘井(きつい)敏弘社長)。
バイオトイレは糞尿を運び出す必要もないため需要が拡大するとみており、同社では増産態勢に乗り出している。


フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2011年03月22日 17:55