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2011年09月30日

台風の流木をチップや建築資材に

台風12号による豪雨で山林から流れ出したスギやヒノキなど大量の樹木が、海岸に漂着したり、河川にたまったりし、和歌山県や市町村が処理に苦慮していることから、田辺木材協同組合と田辺港輸入木材協同組合は流木を買い取り、チップや建設資材として有効利用することを決めた。

田辺木協は「大切に育てた紀州材。廃棄処分するのは忍びない。処理費軽減にもなる」と話している。

土砂崩れによる倒木も買い取る方針で、住民からの持ち込みも受け付ける。

流木は紀南地方の海岸に大量に打ち上がっているほか、川岸に引っ掛かり、ダム湖にたまっている。

県港湾空港振興課によると、海岸だけでも1万立方メートル以上の流木が漂着しており、漁港や港湾など危険性が高い場所から順次撤去している。
県河川課によると河川にたまった流木も順次撤去している。
撤去した流木は、通常なら市町村の処理施設で焼却するか産業廃棄物業者に引き渡す。
今後、撤去が進めば処理費用が膨れ上がるのは必至だ。

このため両組合は「流木を費用をかけて廃棄物として処理するのではなく、有効に利用しよう」と県や田辺市などに流木の買い取りを申し出た。
撤去や搬出については今後、協議する。

海岸や河川の流木を放っておくと、沖に流れて海難事故につながるほか、橋脚や岩に引っ掛かり流れをせき止めるなど、二次災害が起こる可能性がある。
県などは、買い取りによって処理や撤去が順調に進むのを期待している。

流木だけでなく、土砂崩れによる倒木も多いことから、住民や業者が持ち込んでも、買い取る。

引き取った流木や倒木は、田辺木協所属の製材所が機械でチップにし、製紙会社に出荷する。紙や建築材に加工する。

田辺港輸入木協は、流木や倒木を破砕機で砕き、建設資材に加工する。
山の斜面などの緑化基盤材として建設業者に販売する。

田辺木協の井硲啓次副理事長(63)は「地域貢献と考えているが、林業にとっても幹線道路や林道の崩壊で木材流通が止まり、影響を受けている。二次災害が起こるとさらに影響が広がるので、事前に防ぎたい」と話している。

紀伊民報より

投稿者 trim : 2011年09月30日 18:50