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2012年01月12日

「えねぱそ」

スイッチひとつで便利な暮らしが手に入る電化生活は、昨年の東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発事故で、そのもろさが明らかとなった。

原発や電力会社に依存していた市民が、電気を選び、つくるための取り組みが始まっている。

エナジーグリーン(東京都新宿区)が10日に発売した「えねぱそ」は、これまで企業などの法人が主な需要先だったグリーン電力証書を個人向けに買い求めやすくしたものだ。

「『原発で発電された電気を使いたくない』との要望に応えた」と同社の竹村英明氏は語る。
「えねぱそ」では自然エネルギーによる発電で生み出された「環境価値」を1口につき500キロワット時で証書化して販売。
証書は太陽光、風力、小水力、バイオマスの各発電所から選べるしくみで、価格も証書1枚が5千円前後とリーズナブルだ。

グリーン電力証書制度は既存のエネルギーで作られた電力に環境価値を付与するもので、自然エネルギーによる電力を直接購入することとは異なる。

それでも竹村氏は「えねぱそ」が、将来の電力自由化に向けた自然エネルギー需要の掘り起こしを担うと考える。
「電力自由化が一般家庭など小口需要家にも拡大された時に、真っ先に自然エネルギーの電力に移行するのは『えねぱそ』の購入者ではないだろうか」

震災を機に昨年春から活動している「藤野電力」(神奈川県相模原市)では、太陽光パネルとバッテリーなどを組み合わせた小規模発電キットを参加者自身が組み立てるワークショップを開催。
毎回20人ほどが参加している。

「これまで電気は与えられて当然だった。ところが自分でも電気が作れて使えるという体験は『衝撃』」と話すのは、同団体の小田嶋電哲氏だ。
キットが発電する電力は小さいが、ノートパソコンやLED電球1個の照明程度であれば十分実用になる。

藤野電力は地域の再建を通じて持続可能な社会をめざすグループ「トランジション藤野」の活動が母体だ。
「従来の大量消費を続けるのではなく、負荷を減らし、地域が持続できる形へ生活を変える。
自然エネルギーの活用はそのプロセスを担う」と小田嶋氏は展望している。
【斉藤円華】

オルタナより

投稿者 trim : 2012年01月12日 17:00