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2012年01月14日

針葉樹の樹皮の有効利用

和歌山県森林組合連合会はスギやヒノキの製材過程で排出され、処理方法に困っていた樹皮の新たな活用方法として、農業用の土壌改良への利用を検討している。

13日には御坊市塩屋町の連合会御坊事業所で炭化の実験をした。

連合会の谷関俊男専務(62)は「困りものだった樹皮の有効な利用方法を見つけたい」と話している。

樹皮の処理は、法律による規制で自家焼却ができなくなっているため、各製材所などで困っているという。
木材乾燥用のボイラーの燃料に利用しているところもあるが、設備に多額の費用がかかるため中小の製材所では導入は難しく、廃棄物として処理料を払い、業者に依頼するしかないという。
公共工事が盛んだったころは道路のり面の緑化の土壌づくりなどに利用されていたが、工事件数の減少とともに需要も減少。
農業用堆肥への利用法もあるが、鶏ふんや牛ふんを混ぜて発酵させるため、近隣からにおいの苦情が来たり、樹皮に腐りにくい成分が含まれているため、完成までに長期間かかったりという問題がある。

1週間で4トントラック1杯分ほどたまるという御坊事業所では現在、機械を使って樹皮をすりつぶし、無償で農家に提供している。
農家は堆肥にしたり、牛舎の敷わらにしたりしているが、より有効に活用できないか考えていた。

谷関専務は樹皮に土壌改良効果があるケイ酸が豊富に含まれていることに注目、有効な微生物がすみやすくなるように炭化させられれば、土壌改良材として有効ではないかとして、実験を企画した。

この日は、煙がほとんど出ない炭化炉を開発し、日本や海外で特許を取得している長野県千曲市のモキ製作所の茂木国豊社長(67)らを招き、同社の製炭炉で樹皮の炭化実験をした。
製材業者や森林組合関係者らが興味深く見守った。
実験結果を基に今後、実用可能かを検討するという。

谷関専務は「木材価格が安いのに、樹皮の処理料を払っていては林業はやっていけない。土壌改良材にできれば、県内の林業と農業の発展につなげられるのでは」と話した。

紀伊民報より

投稿者 trim : 2012年01月14日 18:30