« 「コウノトリが育むお米」 | メイン | 「金環日食」を富士山頂から生中継 »

2012年04月18日

「チブガーラ」

沖縄県宜野湾市志真志に住む佐久川正一さん(60)を中心に、付近住民が志真志ハイツ近くにある「チブガーラ」という小川の再生に取り組んでいる。

2年前まで雑草・雑木が生い茂り、ごみが捨てられ、ハブが出るほどだった場所で、佐久川さんらがコツコツと草刈りやごみ拾いに取り組み、せせらぎがよみがえっている。

2010年夏、浦添市から志真志に引っ越した佐久川さん。
琉大北口近くに「チブガーラ橋」という橋があるのを見て、不思議に思ったという。
ジャングルのような場所の近くに、赤ちゃん連れの若い夫婦が拝みに来るのを見て、そこが地域の信仰の場所だったことを知った。

「もともと土いじりが好き」という佐久川さん。
敷地を所有する琉大に許可を得て、仕事の合間に草を刈り、不法投棄されたテレビや畳などを片付けた。
危険防止のため、ヘドロをすくって中州や足場板を設置。
約1年かけて現れた清流にはアメンボやグッピー、エビなどの生き物がすみ、時折、水鳥が飛来する水辺の風景がよみがえった。

地域住民にも賛同の輪が広がり、アマリリスやオクラレルカ、クレソン、シャリンバイ、サガリバナを植栽し、チョウが舞うようになった。

同ハイツに住む吉村武さん(73)は「街の中に、こんな自然の川があるのは素晴らしいことだ」と話す。

佐久川さんは「琉大のおかげで開発されず守られてきた場所。桜の木も植樹される予定で、大学と地域が一体になった環境づくりにつながれば」と願いを込めた。
【座波幸代】


琉球新報より

投稿者 trim : 2012年04月18日 14:38