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2012年08月14日

「コンピューター室」で飼育

クワガタやカブトムシの“すみか”は駐車場のコンピューター室―。

小田原駅前の立体駐車場管制室で、数百匹の幼虫や成虫が飼育されている。

管理する小田原市事業協会が小田原城で夏に催す展示のため、一定の温度に保たれた室内の環境に着目し、取り組んでいる。

発案した職員の加藤仁宏さん(37)が業務の傍ら、世話にいそしんでいる。

同市栄町の栄町駐車場。
クワガタやカブトムシのシルエットがあしらわれた「管制室」の扉を開けると、モニターや電子機器の周りのあちこちに、ふ化を待つ幼虫の入った容器が置かれている。
機器があるため、室温は常に23度前後に保たれている。

コンピューターと幼虫たちの“同居”が始まったのは2004年。
昆虫ブームにもあやかり、小田原への誘客と学習の機会を提供しようと、小田原城でクワガタやカブトムシの展示を始めることになったのがきっかけだった。

大型の「ヘラクレスオオカブト」などの人気種、季節が逆で夏に手に入らない南半球の種類などの繁殖を試みることになったが、「温度が一定でないとうまく育たない」(加藤さん)。

そこで白羽の矢が立ったのが、温度管理が徹底された管制室。
冬も23度前後に保たれているため、虫たちにとっても快適な環境だ。
今では幼虫を中心に数百匹を飼育しており、展示されるクワガタやカブトムシの3分の1ほどが「管制室育ち」という。

幼少のころから昆虫好きの加藤さんは、300種類以上の標本を所有。
「飼育で手抜きできないクワガタは育てがいがある」と少年のように笑う。
「市民の生涯学習などにも還元していきたい」との思いも胸に、管制室育ちの虫たちを送り出している。

小田原城常盤木門の「世界のクワガタ カブトムシ展」は19日まで。
入場料などの問い合わせは、小田原城ミューゼ。

カナロコより

投稿者 trim : 2012年08月14日 17:47