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2012年10月31日

茅ケ崎の町工場グループ

精密部品の金属加工や設計試作などを事業とする従業員数人から20人ほどの茅ケ崎の町工場のグループが、高い技術力を生かし、欧州市場への挑戦に乗り出している。

パリで11月6日から9日まで開かれる国際見本市に日本から唯一出展し、欧州の航空宇宙産業などとのビジネスチャンスを狙う。

メンバーの「ダイショウ」(茅ケ崎市円蔵、従業員6人)の石塚裕社長(43)は「日本市場が縮小する中、研究開発が盛んな先進国市場を開拓したい」と意気込んでいる。


グループは、茅ケ崎機械金属工業団地などに工場を置く中小企業の2、3代目の経営者が連携した「茅ケ崎ものづくりサークル」。
別称は「CmonoC(シーモノーシー)」。
ダイショウ、由紀精密(円蔵、大坪由男社長)、シンクフォー(同、山下祐社長)、永井機械製作所(萩園、永井康裕社長)、相田製作所(同、相田利光社長)、佐藤製作所(萩園、佐藤憲二社長)の6社がメンバー。
高い技術力で先端産業などに精密部品などを供給している。

今回はダイショウ、由紀精密、シンクフォー、永井機械製作所の4社が共同で、世界を代表する産業下請け関連の国際見本市「MIDEST」(ミデスト)に出展する。
同見本市は約40カ国の約1,700社が出展予定。
昨年は約70カ国から4万人以上のビジネス関係者が訪れている。

4社はチタンやニッケル合金の加工品サンプル約20個と英語のパンフレットなどを用意し、仏語、英語ができる社員ら5人が渡仏する予定だ。

きっかけは昨年のパリ航空ショー。
由紀精密が単独出展したところ、複数の商談が舞い込んだ。
その後、4社で3回のフランス視察を重ね手応えをつかんだ。

石塚社長は「フランスは航空宇宙産業の対GDP比が世界一。小ロットの航空宇宙系の仕事が多く試作開発も盛ん。われわれの部品を使った日本製品が実際に使われている。親日でもある」と指摘。
現在の欧州は経済危機に見舞われ、円高ユーロ安など条件は悪いが、途上国に進出するよりは高い技術力で付加価値の高い製品を受注できると判断した。
「日本で生産、輸出するが、将来的には現地生産も目指したい」と話している。

茅ケ崎ものづくりサークルは2009年に発足。
親の世代は競争相手で交流もなかったが、30代から40代の後継者の世代は顔見知りとあって、厳しい経済 環境の中で生き残りを賭けて連携した。
それぞれの得意分野を生かして共同受注なども行い、互いの工場を自社の別工場の感覚で活用している。
現在では受注の1割ほどがグループ内という。

カナロコより

投稿者 trim : 2012年10月31日 15:01