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2013年01月06日

全国に例のない新庁舎

4日から業務を開始した那覇市役所の新庁舎。

白い外壁の真新しい建物は、約90種類にも及ぶ亜熱帯の植物が植えられている。

緑化に当たっては、市民に親しまれていた旧庁舎の緑を、新庁舎の工事中に市民に預け育ててもらい、新庁舎で再活用した。

南国の草花が立体的に咲き誇る庁舎は全国にも例がなく、都市緑化のシンボルになりそうだ。


新庁舎の各フロアのベランダに出ると、建物を囲むように配置された植え込みに咲く草花と、細かい金網が張られた柵が目に入る。
草花が成長し、柵につたって繁茂するための準備が整っている。

新庁舎に植えられたブーゲンビレアなど植物の一部は、もともと旧庁舎を彩っていたものだ。
建設工事中は、市民に預け育ててもらっていた。新庁舎の完成とともに市役所に戻ってきた。

草花を預かって育てた中島美佐子さん(77)と金城光子さん(73)は12月に開かれた新庁舎の落成式で、植えられたブーゲンビレアを感慨深く見ていた。
「市から期間限定で預かったが、3年近く育てると愛情が湧いた。
返す時には寂しさが募った」と口をそろえる。
「自分が育てた植物が、多くの市民に楽しんでもらえる」とも語り、喜びひとしおだ。

大切に育てた草木を前に「美しく育ち、市民から末永く愛されてほしい」と期待を込めた。
旧庁舎からの歴史が、市民参加で着実に息づいている。

新庁舎には、市民に預け育ててもらった草木も含め、約90種類にも及ぶ亜熱帯地域ならではの植物が植えられている。
訪れた市民の癒やしになるほか、壁面や屋上の緑化は建物の熱負荷を軽減し、空調代の削減につながると期待されている。

植え込みに草花があふれる庁舎だが、まだ完成形ではない。
植えられた高さ30センチほどのブーゲンビレアなどが縦横に張られた柵に沿って育てば、今はコンクリートが目立つ新庁舎の外面積約1万2,800平方メートル(約3,879坪)中の4割を緑が覆い、豊かな草花が咲き誇る構想だ。

翁長雄志市長は「環境共生都市という那覇市の21世紀に向けた決意の表れだ。
緑の成長とともに、那覇市民が誇りの持てる庁舎に育ってほしい」と期待した。
【知念征尚】

琉球新報より

投稿者 trim : 2013年01月06日 13:29