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2013年04月03日

港の産廃が土壌改良材

海に漂う枯れ葉など産業廃棄物を土壌改良材として活用策を探る「庄内地域未利用資源利活用プロジェクト」が本年度からスタートする。

山形県庄内総合支庁や県港湾事務所などによる「プロジェクト推進協議会」を立ち上げ
(1)港湾しゅんせつ枯れ葉
(2)天然岩ガキの殻
(3)焼却灰
―をテーマに新たなリサイクルシステムの構築を目指す。

鶴岡市の金沢漁港では毎年冬、湾内に大量の枯れ葉が流れ込む。
しゅんせつする枯れ葉の量は年間500~5千立方メートル。
同事務所が集めて加茂港の敷地 に運び、1年ほど野積みして塩分を除いた後、産業廃棄物として処理してきた。
プロジェクトではプラスチック類を分別して受け手となる農家に渡し、腐葉土として活用する道を探る。

一方、庄内特産である天然岩ガキの殻は飲食店などから年間250トンほどが産業廃棄物として排出され、焼却か埋設によって処分されてきた。
だがその成分はミネラルやカルシウムなどを有し、粉砕して土にまくことで酸度中和が期待できるとされる。
既に庄内農業高がカキ殻石灰を使った米の栽培に取り組むなど用途は各地で注目され、プロジェクトでも加工して農家に引き渡す考え。

焼却灰は今後の木質バイオマスの利用増加を見込む。
現在は年間10トンほど廃棄処分されているとされ、事業者と受け手農家の関係性を構築してリサイクル化を図る。

協議会の発足後、準備が整い次第それぞれ実証実験を開始。
受け入れ農家や加工施設などの選定も進める。
担当する同支庁農村計画課は
▽有機材投入による土壌改良
▽営農資材費の軽減
▽耕作放棄地の抑制
―などをメリットに挙げ、「農地をどうつくるかの着想から資源の利活用を始めるが、植林などにも展開し、山と 海の資源がつながる仕組みにしたい」と話している。

山形新聞より

投稿者 trim : 2013年04月03日 11:44