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2013年11月06日

世界一周支えたリヤカー

世界一周成功の陰に静岡のものづくりの力あり―。

鳥取市出身の吉田正仁さん(32)がこのほど、リヤカーを引いて世界一周の旅を成功させた。

吉田さんと長旅の苦楽をともにした「愛車」を作ったのは、牧之原市の従業員10人の小さな町工場だった。

吉田さんが5日、同市を訪れリヤカーを作った永野芳男社長(68)に旅の報告をした。
永野さんは「日本のものづくりの力を世界に証明できた」と目を細めた。

「よく耐えたなあ」。
長旅を終えたリヤカーをいとおしそうに触れながら、永野さんはつぶやいた。
吉田さんは「リヤカーは素晴らしい相棒でした」と感謝の気持ちを伝えた。

リヤカーは折りたたみ式で、全長1.7メートル、幅91センチ、重さ18.4キロ。
航空機やバイクフレームに使う特殊なアルミ素材で耐久性に優れる。
製品開発まで20年近くかかった職人こだわりの製品だ。
世界一周の旅では、氷点下20度から最高気温50度へと環境が激変することもあった。
それでも約4年半約4万キロにわたる長旅で、リヤカーは一度も壊れることはなかったという。

吉田さんとの出会いは2008年4月。
永野さんの会社のホームページを見た吉田さんが「リヤカーを提供してもらいたい」と同社を訪れた。
永野さんの目には物静かで控えめな青年に映ったが、彼の内なる信念を感じて依頼を快諾した。
以来、吉田さんが旅の様子をつづるブログを見て、旅の成功を静かに祈っていた。

静岡新聞より

投稿者 trim : 2013年11月06日 14:31