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2013年12月24日

「廃棄物」はモノづくりの出発点

ショールームに飾られた約200種類の「廃棄物」を購入できる店舗が、品川にある。

この「モノ:ファクトリー 品川ショールーム」を運営するのは、廃棄物の中間処理を行うナカダイ(東京・品川)だ。

100平米の店内には、プラスチックのチップや金属の端材のほか、シートベルト、ブラウン管、信号機などユニークな商品が並ぶ。
いずれも、製造過程で生じる端材や、製品が販売停止になったために余った部品などだ。

どの商品も、排出時の混ざりあった状態では廃棄物でしかないが、細かく仕分けをすることで、創造力を刺激する立派な素材へと生まれ変わった。
店内には、モノづくり愛好家やデザイナー、子ども向けの工作教室を行うイベント担当者などが訪れ、各素材に触れて楽しんでいた。

ナカダイは、群馬県前橋市に工場を持ち、一日およそ50トンの廃棄物を処理する処分業者だ。
もともと彼らは、廃棄物をそのままのかたちで再利用する「リユース」事業や、廃棄物を素材や燃料として使えるように加工する「リサイクル」事業を展開してきた。

廃棄物を分解して素材ごとに揃え、一般消費者に向けて販売する「モノ:ファクトリー」事業を新たに開始したのは、2011年からだ。

素材販売に加えて、処理工場に集まる多様ながらくたを解体できる「解体ワークショップ」や、廃材を使ってバッジやステンドグラスをつくる「モノづくりワークショップ」など、さまざまな講座を開催している。

「捨て方をデザインし、モノの新しい流れを生み出す」という「リマーケティングビジネス」のコンセプトが評価され、2013年にはグッドデザイン賞を受賞した。

11月にオープンした品川の店舗は、青物横丁駅から徒歩1分と、アクセスしやすい位置にある。
店舗運営を担当する支店長の中台澄之氏は、「ここに並ぶのは、いずれも日本の企業が、その高い技術力をもって作り出した素材。ぜひ直接触れて、廃棄物の新たな使い道を創造してほしい」と語った。
【瀬戸義章】

オルタナより

投稿者 trim : 2013年12月24日 16:56