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2014年03月03日

介護離職防止に実証実験

働きざかりの40~50代で今後5年間に親の介護が必要になる人の急増が見込まれることから、政府が2014年度に100の企業を対象として仕事と介護の両立モデルの実証実験を行うことが2日、分かった。

両立モデルを広く定着させることによって、介護も仕事も自分で抱え込んで心身の不調をきたしたり、両立が不可能と決めつけて離職してしまうケースを防止するのが狙いだ。

実証実験は大企業から中小企業に至るまで全国から参加を募り、地域や企業規模、職種が偏らないように100社を国が選定する。

2013年度中に、厚生労働省が策定した介護離職を防ぐための両立モデルを実際に100社で実践してもらい、導入前後の状況を分析する。

試行企業は、国の委託を受けた専門家によるアドバイスも受けられるほか、30万円が支給される。
国は実験結果を2014年度中にとりまとめ、介護と仕事の両立で社会的なロールモデル事例を普及させる計画だ。

厚労省が策定している両立モデルは、労働者向けと企業向けの2種類で構成されている。

労働者モデルは、
▽職場への報告
▽介護保険サービスを使い自分で介護しすぎない
▽ケアマネジャーに相談する
―などが主要項目だ。

企業には介護と仕事の両立支援制度の手続き周知や、社内外のネットワークの構築などを提示する。

国がモデル構築を急ぐ理由は今後5年間で1947~49年生まれの団塊世代が70代に突入し、介護の必要な人がますます増えるからだ。

企業に対し、制度は法律で義務づけられているものの「社員にどのような支援が必要かわからない」といった声が多く上がっていた。

現行の改正育児・介護休業法では、対象家族1人につき93日間の介護休業が認められている。
年5日の介護休暇を足しても、期限の不明確な介護に充てるには限界があり、思い詰めて離職する人も少なくない。

就業構造基本調査によると、介護による離・転職者(自営業者除く)は2007年10月~12年9月で43万9,300人。
ちょうど企業の中核を担う層に相当する40歳以上が89.4%を占め、収入を絶たれる本人だけではなく、企業にとっても痛手となる。

厚労省の担当者は「休業制度は介護体制を整える期間で介護と仕事は両立が前提といった、法制度の基本的な狙いから周知させたい」と話している。

SankeiBizより

投稿者 trim : 2014年03月03日 14:45