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2014年08月12日

土壌改良で松枯れ防止

石川県立大の長谷川和久客員名誉教授はこのほど、土壌改良が松枯れ予防に有効かどうかを確かめる実験を、小松市日末町で開始した。

土壌の酸性化は松枯れの一因と考えられており、2年間の実験では、5種類の土壌改良材の効果を見極める。

小松市では来年5月に全国植樹祭が開催されることが決まっており、市は実験に協力することで機運の盛り上げにつなげる。


市は実験用地として、クロマツが群生する日末町の保安林約1万平方メートルを提供。
7月下旬には、小松精練(能美市)が染色排水の浄化過程で生じる汚泥を再利用して開発した緑化素材「グリーンビズ」と、天然貝の化石、ペレット状の堆肥、炭、消石灰の計5種類を保安林に散布した。

長谷川客員名誉教授は、マツの葉の伸びや色合い、根の伸び、土の中の微生物の数などについて、改良材ごとに違いや変化を調べる。

これまでの実験で、グリーンビズを混ぜた土壌でマツの苗を育てたところ、普通の土で栽培した場合と比べて枯死が半分以下に抑えられる効果を確認した。
グリーンビズによって土壌の通気性、透水性が高まり、土壌中の微生物が活性化し、苗の生育に必要な養分が豊富になったとみられる。

松枯れは、マツノザイセンチュウや酸性雨による樹勢の衰えなど、複合的な要因で発生するとされる。
県森林管理課によると、被害は県内全域で確認されており、昨年度は7,293立方メートルに上った。

長谷川客員名誉教授によると、松枯れ対策として、これまでは枯れた部分を伐採したり、薬剤を注入したりしてきたが、経費や手間が掛かっていた。
土壌改良による予防対策が確立されれば、低コストで松枯れを防ぐことができる。

小松市は、土壌改良による効果が認められれば全国植樹祭で紹介することも検討しており、農林水産課の担当者は「松枯れ対策の小松モデルとしてアピールしたい」と話した。

北國新聞社より

投稿者 trim : 2014年08月12日 12:53