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2007年01月30日

廃瓦、水田で再利用 排水のフィルター材に(西村瓦工業)

石川県羽咋市の屋根工事業者が、粉砕した廃瓦を農地の排水施設に活用するリサイクルに取り組んでいる。

瓦の粒子が植物の順調な成長に欠かせない水はけを良くし、表面の小さな穴が微生物の繁殖の場となるため肥えた土地づくりを助ける。
同市内の中川太田、四柳両地区の水田でも導入が進んでおり、県内で年間約6万㌧の瓦が捨てられる中、関係者は廃瓦の再利用の拡大に期待を寄せている。

廃瓦のリサイクルに取り組んでいるのは羽咋市一ノ宮町の西村瓦工業。
これまで瓦は大半が産業廃棄物として処分場に埋められていたが、容量にも限界があり、悪質な業者による不法投棄などもみられるため、同社の西村繁社長が再利用の方法を模索していた。
3年前に地元農家の水田で、排水施設のパイプの周囲に敷くフィルター材として、これまで使っていた砂利の代わりに9~25㍉に粉砕した瓦を敷設したところ、農家からは水はけが良いと好評を得た。
以降、圃場(ほじょう)整備中の水田の排水施設に順次導入され、今年までに約20㌶で取り入れられた。

県立大の長谷川和久教授の実験では、土の下に廃棄瓦の粉砕物を敷いて小松菜を栽培したところ、土だけの場合に比べ生育が約30%良くなった。
長谷川教授によると、瓦の粒子は透水性が高いため水はけが良くなり、瓦の表面の小さな穴で微生物が繁殖し、土の肥沃(ひよく)度を向上させる効果もあるという。

同社ではこのほかにも、斜面に吹き付ける防草用資材や、ガーデニングの材料として廃瓦の活用を提案しており、西村さんは「日本家屋に瓦は欠かせない。時代に合った再利用を進め、後世に瓦の文化を受け継いでいきたい」と話している。

北國新聞より

投稿者 trim : 2007年01月30日 12:57