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2008年10月30日

茶葉乾燥に間伐材活用へ

原油価格の高騰が茶農家の経営を圧迫する中、京都府宇治田原町と京都府立大は、同町特産の茶葉を乾燥する際の重油に替わる燃料に、間伐材の活用を模索し始めた。

間伐材を活用すれば、森林の手入れも進み「一石二鳥」の効果も期待できる。
現在は、継続的に供給できる間伐材の量などを把握する調査を進めており、早ければ3年後の試験導入を目指す。

同町と府立大は今年2月に地域振興や人材育成に取り組む協定を締結した。
この中で間伐材をお茶の加工燃料に利用する計画があり、実現に向け、大学側と町側が7月、合同研究会を設立した。


同町は町内の約75%が森林。
林道の整備も1㌶当たり12.6㍍と府内一の密度で、間伐材を切り出しやすい環境が整う。
計画では切り出した間伐材を圧縮・成型して固形燃料「木質ペレット」に加工、茶の乾燥に使う。
乾燥には一定の強さでコントロールできる火力が必要で、かつて周辺の山林で焼いた炭が使われており、その現代的な復活になる。

現在、京都府立大生命環境科学研究科の田中和博教授らが中心となり、林道の整備状況、山の斜面、木々の植生などの基本データをGIS(地理情報システム)に入力して、間伐の対象になるヒノキやスギなどが多く生育する地域や人が侵入可能な場所を特定している。
このデータを基に、実地調査を行い、継続的に切り出し可能な間伐材の量や搬出コストに見合う量を導き出す。
量の見込みが立った時点で、モデルケースとして一部の農家に試験的に使用してもらう。
コスト面などで見通しが立てば、将来的に全町内に広めていく計画だ。


京都新聞より

投稿者 trim : 2008年10月30日 10:13