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2009年09月28日

廃食油回収量が増加

全国オイルリサイクル協同組合(事務局・東京、長谷川徹理事長)が9月15日に東京都内で開いた懇話会で、北海道で行われているバイオ再生重油製造に関して、原料となる家庭系廃食用油の回収量が札幌市内で順調に伸び、6月には2,000㌔㍑超、7月には2,000㌔㍑弱、8月には約1,500㌔㍑に達していることが明らかにされた。

これについて、回収を手掛けている社会福祉法人朔風(札幌市)の柴田進氏は「従来の古紙回収ルートやガソリンスタンドでの回収ルートに加えて、スーパーマーケットが回収拠点に加わったことが要因だろう」と述べた。

バイオ再生重油とは、廃潤滑油を原料とし流動点が低い再生重油に、カロリーが比較的高く不純物が少ないが流動点が高いため固化するため単独では燃料として使用することが難しい廃食用油を混合することで製造する混合燃料のこと。


植物由来の廃食用油を工業炉用燃料としてリサイクルすることで、CO2発生量の削減が期待できる。

今回は廃食用油を5%混合したものを使った。


この取り組みは新日石総研(東京・港)が経済産業省の支援を受けて昨年度に行った実証調査がきっかけで、
廃食用油回収は社会福祉法人朔風、
バイオ再生重油製造は全国オイルリサイクル協同組合員の環境開発工業(北海道北広島市)、
燃焼実験は訓子府石灰工業(北海道北見市)が参画した。


実証調査の結果について、新日石総研の岡本康男環境・製品技術調査部部長は「家庭廃食用油は、バイオ再生重油として商業規模で再資源化できることがわかった。社会福祉法人による回収作業は、地域での障がい者の新たな就労分野であり、環境と福祉が融合した新たなビジネスモデルと考えられる」としつつ、
今後の課題として「廃食用油の添加量とCO2削減効果、廃食用油含有量の定量分析法の標準化など普及に向けた調査研究が必要」と述べた。

懇話会には、今後、バイオ再生重油の需要家として有望な業界関係者も出席し、熱心な質疑応答が行われた。


循環経済新聞より

投稿者 trim : 2009年09月28日 16:44