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2010年04月26日

合わせガラスを完全資源化

飯室商店(神奈川県綾瀬市、飯室雅海社長)は5月にも、自動車のフロントガラスや建築用などの合わせガラスを剥離剤でガラスと中間膜に分離するプラントを立ち上げる。

中間膜が1枚のシート状で完全に分離できるため、ガラスカレットだけでなく、中間膜のPVB(ポリビニルブチラール)についても水平リサイクルが実現する。

今まで合わせガラスのリサイクルはガラスカレットが主で中間膜は埋め立てられる場合が多く、リサイクル率は70%ほどだったが、ガラス、中間膜とも100%水平リサイクルができるようになる。

中間膜は粘着力が強くガラスから剥離するのは困難とされており、機械で剥離したフィルムも品質が低級で接着剤やセメント助燃料など、再生する場合にも用途が限られていた。

今回の技術では、合わせガラスを剥離剤で満たされた設備に浸漬させると数分でガラスと中間膜に完全剥離が完了する。

剥離剤は水溶液で供給され、人体にほぼ無害な材料で製造されている。

同社で製造した兄弟機が既に福岡県と愛知県で稼働しており特許の出願を準備している。
そのほかにも特許出願中のガラス原料製造装置がある。

「生産者が製品の廃棄・リサイクル段階まで責任を負う」という拡大生産者責任の考えが大手メーカーを中心に普及しており、現在、フィルムメーカー各社で剥離した中間膜の再利用に向けて機能性評価が進められている。

同社は合わせガラスのほかにも瓶ガラスや単板ガラス、複層ガラス、フロントガラス、ブラウン管などガラス全般のリサイクルを1959年の創業以来一貫して手掛け、ガラスメーカーに再生原料として出荷している。


循環経済新聞より

投稿者 trim : 2010年04月26日 11:08