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2010年10月04日

芝生の校庭じわり定着

硬い土や舗装材に覆われた小中学校の校庭を緑の芝生に替える試みが、少しずつ広がっている。

運動場に芝生のある公立学校の割合は昨年5月時点で4.9%どまりだが、3年間で1.2ポイント上昇した。

子供の体力向上が期待できる半面、維持管理の負担が重く、芝生化の進展は地域差が大きい。

一方で芝生が「地域の財産」となり、住民交流に役立った例も続々と生まれている。


昼休みを告げるチャイムと同時に、子供たちが校庭に飛び出してきた。
1日、さいたま市の市立蓮沼小学校。
同校は今年3月、校庭の一部約3,500平方㍍に植えた芝生の養生が終わり、9月に芝生開きをしたばかり。

「おい、相撲やる人!」。
4年生男児が声をかけると、たちまち“取組”が始まった。

「緑がきれい。寝転んでも大丈夫」と5年生女児も笑顔。
芝生で給食を食べる会や読書会、PTAと協力しての親子除草……。
須郷恵子校長らは活用策を検討中だ。


文部科学省によると、運動場に300平方㍍以上の芝生がある公立学校の割合(整備率)は2006年に3.7%だったのが2009年には4.9%に上昇した。

スポーツ振興につながるため、同省は補助金を設けて校庭芝生化を支援。

だが、整備率は鹿児島県の29.6%から岡山、高知両県の0%まで差がある。
高知県は現状では校舎耐震化が優先という。


全公立小中学校の校庭芝生化を目標に掲げる東京都。
維持管理を住民などと協力して行う仕組みを条件に工事費全額を補助する制度を設けているが高校なども含む整備率は5.8%。

「校舎の耐震化を優先したり、校庭の利用団体と調整がつかなかったりする例が多い」(緑環境課)という。


大阪府の整備率は7.3%。
特に公立小学校は順調に進み108校の芝生化を9月までに完了し、橋下徹知事が唱える「2009~2010年度で計100校」との目標を達成。

「職員約100人が“営業”に回り、植え付けや管理方法を教えたためでは」と担当者。
2011年度もさらに正義を進める考えだ。


昨年の整備率がゼロだった岡山県でもその後、倉敷、備前両市で事業が始まった。
両市ともポット苗を用いた低予算の「鳥取方式」と呼ばれる手法を採用。
雑草も芝生とみなし草取りを省くなどして負担を軽くした。


大分県は17ある特別支援学校のうち11校の校庭を芝生化した。
「転んでも怪我をしにくい芝生は障害のある生徒らに適している」と担当者。


愛知県東海市は、スパイクが使いにくくなるなど、野球やサッカーに与える影響に配慮して小学校の芝生化を見送る一方、保育園全18園の芝生化に取り組んでいる。


“失敗例”に学ぶ動きもある。

9月に芝生開きをした東京都豊島区の区立長崎小学校は、管理不十分で芝生が枯れてしまった学校などを訪ねて要因を調査。
PTAや住民も交えて議論を重ねた末、学校と地域の人々でつくる維持管理組織を立ち上げた。

新宿区の区立四谷第6小学校では地元の老人会が月3階、芝刈り作業に協力。
高齢者の健康増進や住民交流にも一役買っている。


芝生は生き物だけに、植える際には十分な準備が必要。
東京都の担当者は「日当たりなどの条件によっては校庭の全面でなく一部でもよい。実情にあった整備を進めていきたい」と話している。

日本経済新聞より

投稿者 trim : 2010年10月04日 16:01