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2013年07月03日

ベンチャー育てる実証事業

農業ベンチャーが様々な分野で育ってきている。

サプライチェーンの構築、環境負荷低減型、エネルギー利用率を高めた農業スタイル、養殖法の高度化、電子商取引の構築―こうした動きを、省庁も後押ししている。

安倍内閣は成長戦略の一環として、農商工連携による農業の産業化を強く打ち出している。
この6月5日、そうした事業を対象とした経済産業省の先端農業産業化システム実証事業(16.1億円)の公募が締め切られ、現在採択事業の審査が進行中だ。


対象となるのは被災地域における
(1)先端技術を活用した先端的農業システムの実証と、(2)消費者ニーズを捉えた農産物の収益性の高い加工・流通システムの実証。
(1)の採択企業には補助対象経費の3分の2(上限3億円、下限1000万円)、(2)の採択企業には定額(上限1.1億円、下限1,000万円)が助成される。
なお、平成23年度補正予算(15億円、採択事業10件)、24年度予算(5億円、同21件)でも先端技術を活用する農業支援が実施されている。


同省地域経済産業政策課、統括地域活性化企画官の山口剛氏は「被災地の復旧・復興を目的として支援が行われてきたが、現地のニーズがますます高まっているのを実感します」と話す。

さらに地域の基幹産業である農業を再生するためにも、農商工連携は必要だという。
「経験と勘に頼った農業から脱皮し、農業にも工場の生産管理の手法を取り入れ品質管理やコスト削減を図ったり、新たな流通ネットワークを構築することなどにより、産業としての農業の競争力を強化することが課題になっているからです」(山口氏)

採択事業は3~5年実証を経て、事業化に乗り出す計画であるが、すでに成果を出し始めた例もある。
先端技術を導入した農業システムでは農業ベンチャー、グランパファームが手掛ける岩手県陸前高田市のドーム型植物工場は事業化に向け本格的に稼働を始めている。
「植物工場の先進国であるオランダの専門家も建設コストの低減効果もあるドーム型植物工場の発想を評価した」という。
また、宮城県で隣接する自動車工場の排熱を利用しパプリカを温室栽培するベジ・ドリーム栗原の環境負荷低減型農業の取組も注目される。
「他にも雪氷・地中熱利用の植物工場など、エネルギー再利用や省エネを切り口にした実証事業も多い」(山口氏)。

PROJECT DESIGN 月刊事業構想より

投稿者 trim : 2013年07月03日 13:22