« “ニッチ向け端末” | メイン | ゴーヤ先生と踊りも »

2014年05月15日

民間企業で月面到着へ


大塚製薬(本社・東京都千代田区)と宇宙事業を展開するアストロスケール社(シンガポール)、アストロボティック・テクノロジー社(米国)で構成する「LUNAR DREAM実行委員会」は15日、都内で記者発表会を行い、初の民間企業による月面到達を目指すプロジェクト「LUNAR DREAM CAPSULE project(ルナ ドリーム カプセル プロジェクト)」を始動すると発表した。

「月には水がある」という発見をきっかけに、「国家プロジェクトレベルでないと実現できなかった宇宙飛行を自由に民間の手で、そして月へ」との想いから発足した。

世界屈指の技術力を持つ国内の金属加工会社や大学とも連携し、ポカリスエット(粉末)と、120枚のチタンプレートに3万8,000人の子供たちの夢のメッセージを収めた「ドリームカプセル」を月面に送り込み、タイムカプセルとする計画だ。

「夢のメッセージ」は国内外の小学校を訪問して集めるほか、プロジェクトのオフィシャルサイトで投稿できる。
ドリームカプセルはアストロボティック・テクノロジー社の月着陸機「グリフィン・ランダー」に搭載し、米スペースX社のファルコン9で2015年10月に打ち上げる予定だ。

ドリームカプセルは「ポカリスエット」の缶を模したもの。
外見も市販のものと同様だが日本の中小企業の技術力が結集されている。
高度な切削技術により高い剛性を持ち、強い振動や真空状態にも耐え、さらに昼夜の気温差が大きい月面に長期間放置しても簡単に開けられるよう、同プロジェクトのために開発した。
総重量は1,000グラム。
塗装はアウトガス試験でNASA基準をクリアしており、月面の過酷な環境でも、ポカリスエットの鮮やかな青い色彩が長年にわたり保たれるという。

カプセルは「ドリームリング」でのみ開錠できる仕組み。
リングは同プロジェクトに「夢」を寄せた子供たちと同実行委員会のメンバー企業が保管する。
大塚製薬代表取締役副社長の梅野雅之氏は、「子供たちが夢を現実のものにして、月に置いたドリームカプセルを取りに行ってくれることを願っている」と述べた。

記者会見には、元宇宙飛行士で宇宙政策委員会委員の山崎直子さんと、ロンドン五輪100メートル背泳ぎで銅メダルを獲得した元競泳選手の寺川綾さんが登場した。

第1子を妊娠中の寺川さんは「いつか子供たちが月に行ってドリームカプセルを開けることを想像するとわくわくします」と大いに期待を寄せた。

同じくプロジェクトを応援する山崎さんは、「たくさんの関係者の努力と熱い想いが伝わってきた」とコメント。
自らの体験を振り返り、「宇宙飛行士になってから、実際に宇宙に飛ぶまで11年かかった。私ひとりで頑張っていたわけでない。多くの人が支えてくれた」と明かし、人々が力を合わせてチャレンジし続けることの大切さを訴えた。
【山名麻耶】

サーチナより

投稿者 trim : 2014年05月15日 19:00