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2014年07月13日

漆喰一新「本来の姿」

姫路城が白過ぎ!?
世界文化遺産・国宝姫路城の「平成の大修理」で、化粧直しを終えた大天守が全容を現し、地元住民からも予想を超える「白さ」に驚きの声が上がっている。

その理由は真新しい漆喰(しっくい)。
「昭和の大修理」から半世紀を経て黒ずんだ壁や瓦の継ぎ目の漆喰が塗り替えられ、屋根までもが白く映えるためだ。

「この姿こそが白鷺(しらさぎ)城」と修理担当者らは胸を張る。

「うわっ、白い」。
姫路城の大手門前で観光客らは驚き、陽光を浴びて白銀に輝く大天守にカメラを向ける。
大天守を覆う素屋根(工事用建屋)の解体で、6月中旬に全5層が現れた。

大天守の漆喰は、平壁から垂木まで塗り込め、さらに瓦の継ぎ目(目地)にも施す。
目地漆喰は盛り上がっており、見る角度によって黒瓦を隠し、屋根を白色に変える。

漆喰はカビの繁殖や汚れで黒ずんでいくため、純白の姿が現れるのは「昭和の大修理」が完了した1964(昭和39)年以来50年ぶり。
むしろ、少しくすんだ重厚な外観が親しまれてきたことから、インターネット上などでは白亜の姿に対する「違和感」を訴える声もある。

こうした“白の衝撃”は、実は大修理担当者らの狙い通り。
「真の姿」を少しでも長く守るため、新技術も導入していた。

大天守に先立ち漆喰が塗り直された小天守は約1年半で黒ずんでしまった。
今回、大天守の覆いが取れ始めてから公開までは1年以上あり、公開時には純白がくすんでしまう恐れがあった。
そこで、漆喰全面に防カビ剤を塗布。
3年ほどは白さを保つ効果が期待できるという。

昭和の大修理直後も大天守の白さは市民に強い印象を残したようだ。
当時、東京の大学から姫路へ帰郷した中元孝迪(たかみち)・播磨学研究所長(74)は「城が真っ白で驚いた。
こんなにきれいなものなのかと思った」と振り返る。

「夏の日差しが強くなるにつれ、さらに白さが引き立つ。
白鷺にたとえられる真の意味を体感してほしい」と姫路市城周辺整備室の小林正治さん(52)。

大天守の内部公開は来年3月27日からだが、素屋根が取れて間もない今が、最も美しい姿を目に焼き付ける「半世紀に1度の機会」となる。
【仲井雅史】

神戸新聞より

投稿者 trim : 2014年07月13日 15:41